2019年5月までのドル円
2019年の5月まではドル円は、比較的予想通りとはいえるのか、いえないのか判断するのが難しい微妙な動きであった。
年始早々に104円まで下がったこともあり、その後は一時的に元に戻ったが、まだ安定しているとは言い難い。
1ドル110円付近を上下しており、この先円高、円安のどちらに触れるのか予測する事は難しい。
そうはいっても、2019年の前半は、2018年から継続して円安であると言って間違いはないだろう。
ここで注目したいのは、2018年は変動相場制になってから、最もドル円の年間の価格の幅が小さかった年であった。
そう考えると、2019年も極端な円安になるとは言えず、依然として現在くらいの値で多少上下するくらいであるとの見込みが強い。
となると、一時的に予想に反したこともあったが、大方は予想通りであったと言える。
2019年6月のドル円の動き
5月まではある程度安定した円安状態であった。
では、6月はドル円はどんな動きになるのだろうか?
影響がありそうなイベント
6月になって早々に1円近くも1日で円高に推移する事態が発生したので、予想に反した動きが起きるのかと考え込んでしまう。
そして、予想に反した動きがあるのは、何らかのイベントがあった場合が多い。
6月にも色々なイベントがあるので、イベントのたびに一喜一憂する日々が続きそうである。
イベントの中で、最も大きく影響を与えそうなのが、6/8に開催されるG20財務省・中銀総裁会議である。
世界各国の財務大臣が集まる場で、どのような決議がなされるかは、非常にドル円に影響を及ぼす。
争点になるのは、GAFAと呼ばれるグーグルやアップルなどの巨大IT企業の税逃れに対する、各国の対応内容である。
新ルールとなるデジタル課税制度が一歩進むことで、GAFAの本拠地であるアメリカがどのような状態になるのかは予測が難しい。
アメリカの経済状況次第では、安全と目される円が買われて円高に突入する事態も起こり得る。
つまり、ドル円の価格幅を主導するのは、円ではなくドルである。
アメリカの経済指標から、ますます目を離すことができない。
米中首脳会談が開かれる?
G20財務省・中銀総裁会議に次いで、見逃せない大きなイベントがあることを忘れてはならない。
6月下旬には、G20大阪サミットが開かれる。
それに合わせて、米中首脳会談が開かれる可能性があるとの噂が流れている。
皆が期待するのは米中貿易戦争の早期終結であるが、例え首脳会談が開かれたとしても、早期に妥結する可能性は非常に低い。
それほどにこじれている話であり、解決の糸口は見えない。
これが最もドル円に影響を及ぼしている事象であるが、まだまだエスカレートしていき、長期化していくと見込まれている。
アメリカが更に中国に対して関税をかける場合には、円高に振れることは間違いないだろう。
6月後半の動き
107円代へと一時的に円高に進んだが、なんとかそこで留まった。
ちょうどそのあたりで買い戻しが入りやすい地合いであったのだろう。
株の値動きも落ち着いてきたし、発表された中国の経済指標も若干であるが予想よりは良いものであった。
このようなことから考えると、そうそう簡単に円高にこれ以上振れるという事はなさそうな気もするが、まだまだ分からない。
米中貿易摩擦はまだまだ解決の糸口は見つからないし、アメリカはメキシコにも関税を新たにかけるかもしれない。
その辺の動きを注視することが、必要である。
2019年6月6日から7日のドル円の動き
経済指標は毎日のように発表されています。
この指標がどのタイミングで何に影響を与えるのかを、完全に理解している人は多くありません。
とういか、不可能ではないのでしょうか?
どんな指標がどの程度影響を与えるのかを、断言する事は非常に難しいです。
ただし、1つの目安にはなります。
指標に対する値動きについて、見てみましょう。
6月6日のアメリカの経済指標
6月6日にはアメリカの貿易収支、新規失業保険申請件数、失業保険継続受給者数が発表されました、
いずれも予想値よりも悪い結果となり、ドルの先行きに不安を感じた人が多くいたと考えます。
ただし、この程度ならば一時的に円高に少し振れる事はあっても、1円も動く程ではないような。
6月7日の日本の経済指標
6月7日には日本の全世帯家計調査・消費支出、毎月勤労統計調査などが発表されました。
いくつかの指標では予想値よりも悪い結果でしたが、予想値よりも良い結果のものもありました。
これが前夜のアメリカの経済指標の悪さと合間って、ドル円に影響を与えると考えた人は多いでしょう。
6月7日のドル円の動き
上記のような動きがあったにも関わらず、6月7日は大して動く事なく108円台前半をうろちょろするだけで、大した推移はありませんでした。
6月に入ってすぐにあったような円高に振れた動きは一時的だったようで、これからも大きな値動きがするとは考えにくい状況です。