チケット不正転売禁止法って法律ちょっとおかしくね?

チケット不正転売禁止法とは

チケット不正転売禁止法を知っていますか?
6月14日に新たに定められた法律です。
これまでは人気のコンサートやスポーツのイベントなどのチケットを買い占め、オークションサイトなどで定価を大幅に越える値段で売って利益を上げることが可能でした。
人気があるものほど高く売れることは常ですが、買ったけどどうしても行けなくなったので残念だけど売ろうと、初めから利益目的で買って売るのは、全く違います。
この利益目的での購入の裏には、純粋にそのイベントに行きたくて定価で買おうとしたけれど、買えなかった人がいるのです。
このような人を救うために制定されたのが、このチケット不正転売禁止法です。
多くの人に関係がある法律なので、そんなの知らなかったとならないように今から正しい知識を持ちましょう。

違反した場合の罰則

この法律に違反した場合は、罰則が与えられます。
罰則は1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方です。
これが適用されるのは、販売した方のみです。
1円でも定価よりも高く販売すれば、それは罰則の対象になる可能性があります。
購入した方には適用されませんが、それを更に誰かに売るとなると、販売したことになるので罰則が適用されます。
予定が変わったりは仕方ないですが、一度購入したらなるべく自分で行くのがいいですね。

チケット興行主はあまり関係ない?

コンサートや試合を主催する興行主には、この法律はどのような影響があるのでしょうか?
自分たちが売り出したチケットが一度は売れているのですから、収入的なことを言えば全く影響ありません。
しかし、最初に転売目的で購入されたことで、誰かがそれを購入する機会を逸してしまっています。
しかも、自分たちのイベントが誰かの利益を生むものになっているのですから、主催者としては面白くありません。
このような状況から、数年前から転売されたチケットでの入場を禁止するイベントが、多くなっています。
また、チケットに購入者情報を載せ、入場時に本人か確認する措置を講じているイベントもあります。
このように、チケット興行主は転売対策にかける費用が発生しており、大いに関係しています。

需要と供給があるから転売ヤーは消えないかも?

このような法律が定められても、正規の販売時に購入できず、多少多く払ってもどうしてもそのイベントに行きたいという人は一定数います。
そのような人の気持ちも、非常によく理解できます。
そのため、転売は需要と供給を満たしていると言えますので、転売ヤーを根絶することは非常に難しいです。
法律では、「業として」行う転売が罰則の対象とされています。
「業として」の解釈としては、何度も転売しており、利益を出していることと言えます。
実際はそうであっても、当日にどうしても外せない用事ができてしまった、一緒に行くはずだった人が行けなくなったなどと言い訳するでしょう。
この言い訳がどれくらい通じるかです。
あまり頻度が高ければ、「業として」行っていると判断されてしまうでしょう。

「業として」が曖昧すぎる

「業として」行うことが禁止されていることから
反復継続してチケット転売して売りまくる点がいけないということですね。
非常に曖昧な表現です。
つまり、1回か2回くらいだったら「業として」とはみなされず、違法行為にあたらないということです。

しかし、いつ刑事事件として扱われてしまうか不安な法律ですね。
急遽こんなクソ法律が作られてしまいましたから、1回か2回でも運が悪ければ、起訴されてしまいそうな気がします。
争点となるのは、「業として」行われていたかどうか
みたいな裁判が今後起きそうです(笑)

ダフ屋が今後やると思われる行動

今後ダフ屋や転売ヤーはどのような行動を取るでしょうか?
一度高額な利益になることを知ってしまったら、中々そこから抜け出すのは難しいのが人間の心理です。
考えられる行動として、チケット代は定価で販売することで転売とは言えない状況を作り、チケット代とは別の名目でお金を受領する手口も考えられます。
例えば販売手数料、チケットと組み合わせるグッズの料金などを高額にするということが考えられます。
また、一度上記のような方法で購入した人は、また購入してくれる可能性が高いため、直接取引することも手口の1つに挙げられます。
サイトなどに掲載したりせずに、個人間で手渡しで取引すれば、見つからずに罰則を与えることができません。
このような場合には、良心のある第三者が見つけて通報するくらいしか、罰則対象になることは、ほとんどないでしょう。
悪用しようと思えばいくらでも手口が考えられるので、完璧な法律というものはなく、購入する人のモラルが試される気がします。

正当な商行為を規制するのはいかがなものか?

市場原理を考えれば、仕入れて高く売るということは非常に当たり前の正当行為です。
これが違反となれば、そこらじゅうのお店が営業できなくなります。
例えば、投資目的でマンションや土地を購入し、購入金額よりも高く売るという資産形成の方法があります。
購入して売るものが違うだけなので、こっちは取り締まらなくていいのか?という意見も出てくるでしょう。
また、本来イベントに来て欲しい人に来てもらいたいならば、そうなるように主催者が何か策を講じるべきとも考えられます。
それでも、このような法律ができて規制が入ったのには、それなりの理由があるからです。
個人的に感じることは、東京オリンピックが目前に迫っているため
急遽、作ったような気がします。

チケット転売を規制してしまうのは、自由経済を規制してしまうのとほぼ変わらず
こういうのを上から規制してしまうのは資本主義社会において、おかしいんじゃないの?って思います。
しかし、法律で作られてしまった以上、チケット転売は違法行為となってしまったので、それをよく理解して、上手く付き合っていくしか他ありませんね。